1980年代入って、がん研究は一変しました。1970年代まで、一般には実験動物のがんは実験動物のもので、ヒトのがんとは異なるものとされてきました。ところが1980年代に入ると、実験がんとヒトのがん、あるいは化学発がんとウイルス発がんのように対立的に考えられていたもののなかから、共通項がはっきりと浮かび上がってきました。

がん研究の究極の目標は、発がんのメカニズムを解明し、がんを予防することにあります。しかし、人間が長生きになればなるほど、発がんの完全な予防は困難になることとなります。したがって、がんを早期に発見し、これを根治することが、医学の面で当面の最大の課題となります。

この課題に向けて、多方面から研究が展開され、すでにある程度の成果があげられていますが、まだ満足できる状態にあるとはいえないでしょう。がんの診断法には細胞診、組織診、内視鏡、画像診断、生化学的診断など種腫の方法があり、通常それらが組み合わされて用いられます。

また治療にも手術、放射線、免疫、化学療法などがあり、その組み合わせ、いわゆる集学的治療が中心となっています。これらがんの研究の中でもポリープ、特に胃のポリープに関する研究および知見は未だ浅いものとなっています。

胃ポリープとは、胃粘膜上皮の局在性増殖により、胃内腔に隆起した病変で悪性でないもの。という定義が一般的に使われています。胃ポリープは、まず、腺腫または異型上皮巣と呼ばれている病変と、過形成性ポリープの二つに分類されます。腺腫は良性腫瘍で、大きさは2cm以下の、褪色や正色調の扁平な形態を示す事が多くなっています。検査においては危険因子とみなされる可能性が高く、高分化腺癌との鑑別に注意が必要になってきます。

臨床的に問題となるのは、腺腫の癌化と他部位、他臓器に癌の合併する頻度が高いことなどが挙げられます。そこで、本サイトでは胃ポリープに関する知見を中心に、胃がんと胃ポリープの関係性までまとめていきたいと思います。