病因
ポリープと癌
上皮性胃ポリープは、組織学的に胃固有粘膜に類似するものと腸上皮化生粘膜に類似するものとの2系列に類別でき、異型性の点では過形成性、良性潰瘍性(異型上皮巣または腺腫)、そして癌との三つの類に分けられています。
それら系列と異型性との組み合わせによって、上皮性ポリープは六つの類にまた分けることができます。それらのうち癌化の頻度が高いポリープは、異型性の点で良性腫瘍性(異型上皮巣または腺腫)とされているポリープ、特に腸上皮化生粘膜系列のものとなります。
腸上皮化生粘膜系列の異型上皮巣または腺腫の癌化率についてはこれまでの先行研究から、23%、80%と高いものから、4%以下であると低いものまであります。一方では、腸上皮化生粘膜系列の良性とされた異型上皮巣を経過観察しても癌化せず、大部分の症例はその大きさが不変であるという見解もみられます。
先行研究的に、癌化の頻度が大きく異なることは、癌組織診断基準の違いに基づいてのこととなります。組織診断基準の客観化を行って、その癌化率をみると、それは1%以下ということになります。
このように、腸上皮化生粘膜系列の異型上皮巣または腺腫の癌化率は1%以下と低く、特にそれを前癌病辺とする必要もなく、要は、癌組織診断基準の問題ということになります。ということから、胃ポリープは癌化することはごく稀な事例ということになり、診断後ポリープが見つかった場合の処置も急を要するものではなく、適切な処置が施されることが求められます。