胃癌
胃癌の概念
胃ポリープに関してここまで述べてきましたが、本項からは、胃ポリープにも密接に関わっている胃癌についても述べていきます。まずは、胃癌の概念として、頻度および疫学的事項について確認していきます。胃に原発する悪性新生物のうち、上皮性腫瘍である胃癌は最も多く、その95%以上を占めています。
胃癌以外の原発性悪性腫瘍では悪性リンパ腫が最も多く、平滑筋肉腫がこれに続いています。胃の転移性腫瘍はまれで、1%程度にみられるに過ぎませんが、その原発巣は肺がん、乳がん、悪性黒色腫瘍が多くなっています。
胃癌は、かつてはアメリカにおいても最も頻度の高い悪性新生物でありましたが、近年は著しく減少し、1980年の訂正死亡率は1950年のそれの1/3程度になっています。わが国においても、胃癌の死亡率は減少傾向にありますが、罹患率とともになお全悪性新生物の中で第1位であります。
また、世界各国との胃癌の死亡率の比較においても、わが国は圧倒的に高率で1位となっています。40歳以上の者に好発しますが、最近では70歳以上の高齢者の占める割合も増加しており、このうち80歳以上の超高齢者においては死亡率もなお増加中です。
1988年のわが国の胃悪性新生物の死亡率は人口10万対39.3であり、訂正死亡率でみた男女比は1.8:1.0で男性に多いが、若年女性では未分化型の癌の頻度が高いという特徴があります。危険因子として喫煙、過度の塩分や炭水化物の摂取などのほか、食品中の成分から胃内で新たな発癌物質が生成される可能性も推測されています。