胃癌

胃癌の治療

胃ポリープには良性のものが多数であるという見解がなされる今日において、昔のように外科的な治療はなされず、臨床的な経過観察が施されます。胃癌はというとそういうわけにはいきません。

積極的な外科療法が施されますが、その実態はどのようになっているのか、本項で解説します。従来から、胃癌の治療の基本は、根治的胃切除とされてきました。現在では、外科入院例に限ると切除率は87%に達し、うち治癒切除は75%に上ります。

また、早期胃癌の切除例では5年生存率も95%以上に達しています。一方、早期胃癌に対する内視鏡による治療例も増加しつつあります。内視鏡による胃癌の治療には、根治をねらったものとして、隆起性病変に対するポリペクトミー、平坦ないし、陥没性病変に対するstrip biopsy(内視鏡的粘膜切除術)、高周波ないしレーザー照射法などがあります。

さらに温熱による抗腫瘍効果を併用させたレーザー温熱療法や、腫瘍親和性のある蛍光物質とレーザーを併用し、腫瘍組織に対する治療効果の選択性を高めた光線力学的療法には、特に病変の範囲が不明瞭で、内視鏡による切除や焼灼が不確実な例において付加的な効果が期待されています。

最近ではこれら内視鏡治療の成績も集積されてきていますが、それらによると、リンパ節転移や一回の処置により取り残しがなく、癌の完全消失が見込まれるのは、直径1センチメートル以下の潰瘍を有さない癌と考えるものが多くなっています。

しかし、これらの成績はあくまでも統計学的なものであり、いまのところその数も限定されたものであるため、当面は手術不能例に対象を限っていくべきであると考えられます。