胃腺腫
胃腺腫とは
「胃腺腫」と呼ばれている病変に対しては、胃ポリープという大きなカテゴリーの中でも現在でもさまざまな名称が提出されており、また、ひとつの疾患単位にまとめてよいのかなど、未解決な問題が多い病変となっています。したがって、本項目では胃腺腫というものが一体どういうものであるのかという概念から考えて行こうと思います。
まず、呼称に関する議論の歴史から考えてみましょう。廣田らは1987年に出された論文の中で「必ずしも同一疾患ではないが、腺腫とほぼ同様な病変に対する用語としてわが国で使用されているものがいくつかある」と、述べています。それらを羅列すると平盤上隆起、異型上皮巣、扁平ポリープ、異型上皮性ポリープ、化生性ポリープなど、このほかに狭義の良性・悪性境界性病変などもあります。
このように多数の名称が提唱された理由としては、胃ポリープ診断の歴史的変遷に関連しているものと考えられています。1960~70年にかけては、年代的には胃ポリープの定義、早期胃がんの定義、胃生検の一般的施行時期に相当し、特に、腺腫は隆起型早期胃がんとの鑑別から問題となった病変です。
以上に示した多様な呼称による病変はほぼ同一の疾患を指すものと考えて良いと思われます。しかし、どの名称に統一するかの結論は未だ出されておらず、病変の本態の問題ともからみ、今後も議論されるものとなっています。一般的には腺腫、異型上皮巣と狭義の良・悪性境界性病変と呼ばれる機会がいが多いと思われます。