胃腺腫
組織型と癌化
胃ポリープの中でも胃腺腫というものに関する組織型分類と、癌化、前癌病変としての意義を本項では解説していきたいと思います。まず、組織型の分類なのですが、WHOの分類では腺腫adenomaはさらに管状腺腫tubular adenoma、乳頭状腺腫papillary adenoma、乳頭管状腺腫 papillo-tubular adenomaの3型に分類されています。
学者Hらは、胃の腺腫‐私はこう考えるという著書の中で、切除胃4,163例のうちの腺腫144病巣、121例について検討した結果、腺腫の大部分は管状腺腫で107病巣(74.3%)にのぼり、乳頭管状腺腫が33病巣(22.9%)、乳頭状腺腫は4病巣(2.8%)であったと報告しています。
そのほかにも、亜分類が各種なされているが、その中で学者Kの胃の腺腫-私は思うという著書の中においての異型腺腫、学者Yの胃の病理‐特に組織像の読み方という著書の中における胃型異型腺腫、学者Kの胃の良性・悪性境界病変という著書の中におけるgastric typeと呼ばれているものは、頻度は少ないが、正常の腺窩上皮や幽門腺に類似し、粘液組成の点からも胃の上皮に類似した性格を有し、通常の腸型の腺腫あるいは異型上皮に比べて癌共存率の高い病変であるといわれています。
次に、癌化、前癌病変としての意義にうつります。現在では、過去に指摘されていたように、前癌状態とみなす考え方はあまりなくなっています。癌の合併率も数%とする報告が多くなっています。つまり、簡単に言い換えるとするならば、腺腫という定義をしっかりもつことによって、それらの分類をはっきりと示すことに繋がり、後の癌化など病変を引き起こした時に、それがどの腺腫に分類されるものになるのかに繋がるということになります。